NAOKOのひとりごと・・・・・No31

「蘭つれづれ」
 毎年2月に東京ドームで開かれる「世界洋ラン展」、もうすっかりお馴染みになったが、今年も世界23の国と地域から約10万株の蘭がその美を競って参加したという。蘭の種類も今では膨大に増えて殆ど知らない名前ばかりだが、私が最初に名前を覚えた蘭は、カトレア。カトレアはその高貴なイメージで、当時花の女王だった。
 といっても私の記憶に残っているのは、生のカトレアではなく造花のカトレアと東京會舘のガトー。造花は、飯田深雪先生のアートフラワーが一世を風靡し、母の友達もこぞってお教室に通い、誕生日会、ピアノの発表会、クリスマス会…など何かイベントがあるたびに、アートフラワーのコサージュとやらをプレゼントされた。時にはバラもあったが、その殆どがカトレアを模したものだった。
 そしてもう一つの記憶は東京會舘のガトー(ビスキュイ)だが、お菓子の入れ物らしくなく、白地の缶にピンクのカトレアが描かれていた。(とっくに変わってしまったこの缶の柄を懐かしく思い出される方は、人生の先輩と呼ばれる方達かも。)当時は泉屋のクッキーが全国的には有名だったが、幼少期の私はこのガトーが大好物で、父が持ち帰ってくると嬉しくてどれから食べようかと大いに悩んだりしていた。
  時が流れて、蘭の種類もどんどん増え、気がついたら胡蝶蘭が一番人気という時代が暫く続いた。1990年頃は、お祝い事があると必ず胡蝶蘭が登場した。当時は花が1本1万円と相場が決まっていたので、3本花が付いていれば3万円、わかりやすいから人気があったのだろうか?
 そして次にやってきたのが、ガーデニングブーム。贈り物の蘭から、育てる蘭へ…。シンビジウム、デンファレ、デンドロビューム、オンシジウムなどの鉢植えを頂いたら、次の年も花を咲かせるというのが、花を愛する人の常識になった。

 

 私はコンサートの時などお花を頂くことが多いが、殆どが切花。どの花瓶にしようかと迷いながら花を飾るのは大きな楽しみだが、自信を持って世話を出来るのは切花に限られる。鉢植えと聞くとドキドキしてしまう。私は2歳の頃から母がお花のお稽古をする間、皆さんの断ち落としを頂いて小さな剣山に挿してはミニ作品を作っていたので、切花に向かう時は全く抵抗がない。ひょっとして人より早く、生けた花がダメになっているのかもしれないが、切花だからいつか枯れるし…と思えば心穏やかでいられる。
 ところが鉢植えは、優しい言葉をかけながら定期的に水遣りをしたり、肥料を施したりと長いスパンで接しなければならないので、どうも今ひとつ腰が引けてしまう。きっとこれからも、美しい蘭は東京ドームで心ゆくまで眺め、我が家では儚い命の切花を楽しむ生活が続くことでしょう。

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