5月27日上海大劇院に於いて、上海歌劇院による新作中国オペラ≪那時花開≫が上演されました。

初日のA組に魏松さんが出演しているので友人たちと連れ立って見に行きました。
真ん中の通路から2列目のど真ん中という一番良い席のチケットをご用意頂きちょっと恐縮!
私の前には関係者のお偉いさんばかり、中には昨年11月の私のコンサートの時にお世話になった方も座っていらっしゃいました。
さてこのオペラの作曲者は2008年、北京国家大劇院のこけら落とし公演の最大の目玉演目≪国家大劇院版トゥーランドット≫の作曲者・郝維亜さんです。
ご存じない方が多いと思いますので、ちょっとご説明致します。
プッチーニ作曲の中国を舞台にした有名なオペラ≪トゥーランドット≫
なかでもテノールの歌うアリア「誰も寝てはならぬ」は大変有名です。とりわけ日本の皆さんには冬季オリンピックのフィギュアスケーでト金メダルを取った荒川静香さんの≪イナバウアー≫の曲として大変良く知られています。
このオペラ、実はプッチーニは最後まで書きあげることなく亡くなってしまったのです。
最後のほうは弟子が書きました。今世界中で≪トゥーランドット≫として上演されるのはこの≪プッチーニ→弟子≫の楽譜に基づいた演奏です。
しかし、2008年国家大劇院版ではこの弟子が書いた部分を中国人の作曲家が新たに書き直しました。
その作曲者が郝維亜さんという訳です。
今回のオペラは現代の中国が舞台でそのストーリーは・・・・
貧しい階級出身の女性・文娟が子供を身ごもり恋人に捨てられ、困り果てて子供を初恋の男性・根亮の家の前に置いて疾走。
根亮は民工をしながら一生懸命その子供・多多を育てます。多多の為に結婚もせずに。
賢く可愛く育ち10歳の誕生日を迎えた多多がなんと白血病にかかります。
骨髄移植で救えるのは血のつながりのある親、又は兄弟しかいません。
いまは裕福な家庭の主婦となり男の子も生まれ幸せに暮らす文娟、たまたま子供の健康診断で訪れた病院で昔捨てた我が子・多多と再会します。
根亮から多多の命を救えるのは君だけだと懇願されますが、今の幸せを手放したくない文娟はガンとして拒絶します。
しかし最後には親としての情に目覚めますが時既に遅く多多は天に召される・・・というストーリーです。
文娟を歌うのは黄英さん、根亮は張峰さん、文娟の現在の金持ちの夫を魏松さん、という配役です。
悲劇で終りますがこのオペラに出てくるのは皆それぞれ自分を守りたいが故のエゴはあるものの最終的にはどの人もみな良い人ばかりという≪救い≫のあるお話です。
それにしても新作物につきものではありますが、このオペラも本当にギリギリまで特にオケ譜が出来上がってこなかったようです。
どのくらいギリギリだったかについては私の聞き間違いだといけないのでここには書きませんが上海歌劇院のオケには脱帽!!
とても綺麗な音楽でしたし、ストーリーも感動的でしたし、特に外国人の私からなにか言うことは全くありませんが・・・・・
ひとつとっても気の毒だったのは・・・・主役をうたった黄英さん、本当にとっても素晴らしい美声の持ち主ですが、それだからこそと言うべきか、典型的な≪ソプラノ体型≫です。そういう彼女にミニスカートを履かせた衣装担当者のセンスは如何なものかと????同業者として言わせてもらうなら我々のように身体を使って歌わなくてはならない声楽家の場合、ミニスカートで歌うのはたとえ美脚の持ち主だってきっとイヤだと思うでしょうからね(笑)!