松井 菜穂子 -Soprano-レポート
松井 菜穂子 Soprano
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中国国家大劇院のこと (その1)

 「卵」の愛称で呼ばれている北京の国家大劇院。天安門広場のすぐ近く、かの有名な人民大会堂のお隣に湖のまん中に浮かぶ巨大な卵といった風情で佇んでいます。 こんな巨大な敷地、しかも北京のど真中で一体以前はここに何が建っていたのかしら・・・と不思議に思い北京っ子(いわゆる北京に生まれずっと北京に住んでいる・・・)達に尋ねても 皆案外分からなかったりするから面白い。

  2007年12月末にグランドオープンし(そのことはクリスマスコンサートのレポートでも触れましたが)、それから2008年4月初旬までの間 開幕記念特別演目が続きます。
この巨大な卵の中には3つのホールが入っています。コンサートホール(日本のサントリーホールとよく似た形状のホール)、オペラハウス、お芝居のためのホール(京劇はここで上演される。)
この3つのホールに 中国国内及び世界各地から素晴らしいパフォーマー(なかには只有名なだけ・・というのもあるようですが・・・・)が次々集められ 様々な 演目が行われています。

  音楽やバレエ、お芝居などに全く興味のない人でもこの建物を訪れてみたいと思うに違いない。 あの水の中にポッカリ浮かぶあそこにどうやって辿りつくことが出来るのだろう・・・見たところ橋など掛かってる様子もないし・・・と不思議に思う。加えて私はなんと言っても音楽家である。 しかも、親しくさせて頂きお世話になっている魏松(ウェイ・ソン)氏が毎月ここに出演する。こうなればもう「見に行くっきゃない!」ではありませんか!
 まず最初は1月12日の「木蘭(ムーラン)」という中国オペラ。
オペラですが今回はコンサートホールにて 演奏会形式での上演です。彭麗媛(ポン・リーユアン)さん演じる木蘭にテノールの載玉強(タイ・ユーチャン)さん、魏松さん、莫華倫(ワレン・モク)さん、バリトンの廖昌永(リャオ・チャンヨン)さんetc.etc・・
 豪華な顔ぶれが大集合です。なかでも私の大好きな映画「北京バイオリン」の中で陳凱歌(チェン・カイコー)監督が自ら演じた有名教授の高弟役で出演していた李伝韻(リー・チュアンユン)さんの実際のバイオリン演奏が聞けたことは大変嬉しい驚きでした。
  因みに今回の私の買ったチケットは1,280元(日本円で約2万円位)と結構なお値段ですが、これでも決して一番高いお席という訳ではなく まだまだ上がありました。しかし2,019席の客席はほぼ満席。私のようにチケットを“買って”来ている人が果たしてどの位いるのかは不明ですがとにかく凄い!

 さて肝心の建物のことですが・・・案の定、水の下をくぐってゆくのでした。
 チケットを見せてまず最初にセキュリティーチェックを受けます。飛行機に乗る時と同じような手順を踏む訳ですが ある意味それ以上に厳しいかも・・・・なぜならバックの中にカメラがあれば即刻取り上げられます。(もちろん没収される訳ではなく 一時的に預けさせられるだけではありますが・・・・)。
 こうしていよいよ水の下に到達です。歩きながらガラスの天井を見上げるとガラスの上を水が流れる様が見てとれます。
 もしもこのガラスが1枚でも割れたら映画「タイタニック」みたいな水中アクションをすることになるのかな・・・と一瞬不安が胸をよぎります。その不安を更に後押しするように通路の何ヵ所かにバケツが置いてあり水が上からポタポタその中に落ちている。(しかしこれは1月のことであり、2月にはバケツの数が減り、3月には全くなくなりましたので多分もう大丈夫なのでしょう・・・念のため。)
 ホールまで辿り着けばもう水の心配はなくなり、ホッとひと安心。

 
カメラが取り上げられているので このユニークな建物の中の様子を写真でお見せできないのが残念です。しかし周囲を見回すとパシャッというシャッター音が聞こえてきます。いったいどうやってあのセキュリティーをくぐり抜けカメラを持ち込んだのか・・・ここでは全く驚くことばかりです。
持ち込めないはずのカメラですが、ちゃんと持ってる人もいました。そのカメラで写したものです。

 さて2月は上海歌劇院が2つの演目をさげて国家大劇院に登場です。 2月19日、20日がヴェルディのオペラ「オテロ」。オテロを演じるのはもちろん両日とも魏松さん。 そして2月22日、23日が上海歌劇院オリジナルオペラ「雷雨(レイユ)」です。この雷雨というのは 元々大変有名な物語だそうです。 それをオペラにしたあたりは 日本の「夕鶴」(團伊玖磨作曲)と同じですが 夕鶴がきわめて単純な物語であるのに対し この雷雨は登場人物の人間関係が大変複雑ですので 外国人の私は字幕を必死の思いで追いかけていました。 因みに今話題の 張芸謀(チャン・イーモウ)監督の最新映画「王妃の紋章」はこの「雷雨」をもとにしているとか・・・   

 今までにずい分たくさんの日本人による日本のオペラを見ましたが私が見たものの中には余りピンとくるものがありませんでしたので、この雷雨に対しても 果たしてどうなのかなあ・・と思いましたが結論から言えば 私はこのオペラは「好き」でした。現代のオペラによくある奇怪な音の羅列ではなく、大変美しい曲でしたし、舞台装置や照明などもそれほどお金はかけていないと思いますが、なかなかのものでした。同じ歌劇団による全く異なる2つのオペラを続けて見たので 色々と考えることがありました。 それについてはいずれ別の機会に・・・。

 ところで今回のんびり構えていたら チケットの入手が困難という思いもよらない事態に遭遇いたしました。 「オテロ」のチケット(380元=日本円約5,700円)はなんとか入手しましたが「雷雨」のチケットは直前まで手に入らず、とうとう立見席のチケット(30元=日本円約450円)を買って入るという状況に追い込まれました。ホントに2,398席もの席が全部売り切れ?!!“天上桟敷”なんて音大生の頃がなつかしいなぁ・・・(でもあの頃と違って立っているのが辛い!!)。

 魏松さんはオテロ2日間、雷雨2日間すべてに出演。オペラでは本番の前にゲネプロと言って通し稽古がありますので、いったい何日間歌いっ放しだったのか・・・全く驚くべき体力と喉です。

 今回の体験に懲りて 3月のトゥーランドットのチケット(1,080元=日本円約16,200円)は雷雨を見に行った日に早々と買っておきました。
 これについては 次回のレポートで 詳しく ご報告いたします。 つづく

大川 一廣さんのこと

 大川一廣さん、もう私がご紹介するまでもなくテレビの人気番組「ビフォー アフター」で全国に顔と名前の知れ渡った「匠」である。番組最後の方で大川さんの魔法により幸せを手にした御施主さんが流す嬉し涙に つられて、私もどれ程泣かされたことか・・

 人に幸せを感じてもらうのが 何より好き・・・・という所が私達の最大の共通点。
  それから 理屈ではなく動物的直感と勘だけを根拠に行動するあたりも・・・。そして一般的な尺度からすれば「かなり変わった人」に属するあたりも。

 2005年、2006年の私の上海公演に応援で駆けつけて下さった大川さん、普通の人には見えないものが見えてしまう彼には 中国の“熱い”聴衆を前にして歌う私の背中にも炎がユラユラと立ちのぼるのが見えていたとか・・・・。
  このたび 中国から二人の素晴らしいアーティストを日本に招いてぜひ皆さんに紹介したいとの熱い思いに 大川さんが 力を貸して下さることになりました。大川さんから出される面白いアイデアに時には 反発しながらも楽しい時間を過ごしています。
  そういえば ミケランジェロやダ・ヴィンチも美術ばかりではなく建築、解剖学、戦争法、航空学、さらには宴会の総指揮者なども 手がけたとか・・・・。大川さんも知られざる様々なお顔を持っている。
とりあえずは 大川一廣さんのお名前でアクセスしてみては如何ですか?

あとはコンサートにいらしてみてのお楽しみということで!

大川一廣さんと愛車モーガン



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